(お話はフィクションです)
私はJO1のファンを続けている21歳大学生ゆき。
最近、一部のファンによるJO1に対する迷惑行為が増えてきている。
「そんなことしてメンバーが喜ぶと思ってるの?」そう私は考えるが、私のように冷静な考えを持っているファンは少ないみたいだ。一部のファンのせいで私のように本気で応援している人までひとくくりにされてしまうのが本当に不快だ。
中でも素行が悪いのはAのファンだ。
Aはバラエティー番組に出ても活躍しないし、歌やダンスも決してうまいとは言えない。
そして私の推しているBはすべてのメンバーを凌駕している。
ひがむ気持ちも分かるが、能力が違うんだから仕方ない。
Twitterを見てもAのファンはBの悪口ばかり...。
いくら温厚な私でもここまでくると黙っておけない。
「Aくんはあんまり目立てないし、歌もダンスも下手なんだから、出しゃばんないでほしい。」これくらい言っておけば、Aのファンも理解できるだろう。
AとBの間には点と地ほどの差がある。オブラートに包んで伝えたし、これ以上Aのファンが騒ぐことはないだろう。
「ゆきさん!自分もそう思います!Aなんて応援している人馬鹿みたいですよね!自分もゆきさんみたいな考えの人大好きです!今度じっくり語りたい!」
よくリプをくれるネコさんだ。
ほら、同意してくれる人もいる。当たり前だ。
次の日、スマホを開くと大量の通知が、、、。
Aのファンからのリプである。
「は?何言ってるの?」
「Bもそんなに歌うまくないじゃん」
「てか、演技できないくせにBこそしゃしゃるなよ」
理解ができなかった。
Bに対する誹謗中傷の嵐。内容も何の的も得ていない嘘の情報ばかり。
これだからAのファンは嫌いだ。こんなのをもしBが見かけたら傷ついてしまう。
Aと違ってBは純粋な子なのだ。
「Aなんて何もできないくせに、なんでアイドルしてるかわからない。どうせ、女にもてたいだけでしょ?この間コンビニで女と一緒にいるところ見たしwwww」すぐさまツイートをした。多少嘘も書いているが、Aのファンなんてこれを見て離れていくような、低レベルなファンばかりだろう。
「Bもこの間、マンションに女連れ込んでるの見たよwてかウチの友達、抱かれてたし」
は?そんなはずないじゃん?
Bに限ってそんなことあるわけがない。Bは仕事とファンを大事にしている。
彼女もいなければ、女の子を家に入れるはずがない。
これ以上Aのファンとやりとりだけしても無駄だ。
これは自分の目で確認し、他のファンに事実無根であったことを証明するほかない。
「分かった、Bがそんな事しないってこと私が証明してみせる」
そうツイートし、私はすぐさま行動に移した。
今日Bはテレビ収録。出演を終えたあとは、帰宅するはずだ。そこから車で帰宅するところを追い、1人で家に入るところを写真に収めれば、Aのファンはこれ以上嘘の情報を広めることはないだろう。
しばらくテレビ局の前で待機をしていると、無精髭の生えただらしない体型の警備員に声を掛けられた。
「すみませーん、出待ちですかー?困るんですよねー、そういった迷惑行為はー」
は?迷惑行為?私が?
信じられない言葉に耳を疑った。
Bのためにここまでしてるのに、これを迷惑行為と言われたことに怒りさえ覚えた。
その時、1台の車がテレビ局の関係者出口より出ていくのが見えた。
あれだ!Bくんはあれに乗ってる!
私は警備員の制止を振り切り、タクシーに乗り込んだ。
「前の車を追ってください。」
私のような熱心なファン以外このセリフを吐かないであろう。
私の様子を見てただ事ではないと分かったのか、タクシーの運転手も何も言わず、アクセルを踏んだ。
Bの家は入り組んだところにあるらしい。先程から何度も同じ道に入ったりして、一向に進んでいる気配はない。
きっと雇いたての運転手なのだろうな。道を覚えられていないのかもしれない。帰ったらこれも仲間に共有しよう。ファンの流儀である。
そう考えている間、タクシーの運転手から信じられない一言が放たれた。
「こちらに気づいて巻こうとしてますね。もうやめましょう。」
巻こうとしてる?何それ?あなたも私を迷惑行為してるファンと勘違いしてるわけ?
私はタクシーを降りて、赤信号で止まるBの車に駆け寄った。
「すみません!Bが乗ってるんですよね!私はファンなんです!Twitterで[いいね!]も何回かもらってます!IDは,,,」「やめてください!警察呼びますよ!」
助手席の窓が開き、運転手が放った一言で一気に冷めた。
ありえない。警察?私が何悪いことしたわけ?
そこからどうやって家に帰ったかはよく覚えていない。
きっとなにかの間違いだ、そうだ、多分あれはAの車でAの運転手だ。だからあんな対応なんだ。Bの関係者があんな態度をファンに取るはずがない。
そんなことを1人で考えていると、家のチャイムがなった。
誰だろう、こんな遅くに。
ドアの前を確認すると見覚えのある無精髭の男がたっていた。
「ゆきさーん、いますかー?」
なんで私の名前を知っているんだろうか、さっきたまたま会っただけのテレビ局の警備員に。
「自分ですよー。ネコですー。Twitterで何度か絡んでますよねー。」
ますます訳が分からない。
「Twitter見てテレビ局に待ち伏せすればゆきさんに会えると思ったんで警備員の格好をして待ってましたー。会えて嬉しいですー。」
怖い。
「開けてもらえますかー?」
「ちょっと待ってください!どうやってここまで来たんですか?」
「後ろを追いかけてきましたー」
「ストーカーですか?!犯罪ですよ!」
「ゆきさんもBに同じことしてるじゃないですかー」
「違います!私はBのために!」
「されてる側からしたら一緒のことですよー」
そんなはずは無い。私の崇高な思いをストーカーと一緒にされるなんて,,,。
という物語をネットニュースを見ていて思いついたので、書いてみました(笑)
ファンは盲目になりやすいですもんね。JO1のファンが実際にこんな人では無いと思いますが、迷惑行為はやめましょう!
それでは!